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・気候の安定のためには、世界の温室効果ガス排出を2050年には現在の50%以下にする必要がある。
・一人あたり排出量の大きい先進国は、大幅な削減が求められる。日本は、2050年には現在の60〜80%の 削減が必要とみられる。
・これをふまえて、本研究では、日本で2050年70%の削減可能性とそのコストを、 エネルギーの需要・供給面から検討。
本研究は、日本を対象に、2050年に想定されるサービス需要を満足しながら、
主要な温室効果ガスであるCO2を1990年に比べて70%削減する技術的なポテンシャルが 存在することを明らかにしている。
[研究体制]
1.本研究は、2050年日本において、主要な温室効果ガスであるCO2排出量を
1990年に比べて70%削減した低炭素社会実現の可能性について検討した。
2. 本研究は、環境省地球環境研究総合推進費によるもので、研究所、大学、 民間からの、環境、エネルギー、経済、産業、交通、都市、国際政治など
幅広い分野の研究者約60人が参加している。
[削減の前提]
3. 低炭素社会の実現に当たっては、以下の前提を掲げている。
◇ 一定の経済成長を維持する活力ある社会。
◇ 社会シナリオによって想定されるエネルギーサービスの維持。
◇ 水素自動車などの革新的な技術の想定、ただし核融合などの不確実な技術は想定しない。
◇ 原子力など既存の国の長期計画との整合性。
◇ 本研究の対象は削減ポテンシャルの実証であり、その具現化のために 必要となる炭素排出コストの市場への内部化などの政策措置については、言及していない。
[70%削減の可能性・コスト・分野]
4. そのような前提のもとで、CO2排出量70%削減は、エネルギー需要の40−45%と エネルギー供給の低炭素化によって、可能となる。
5. この2050年CO2排出量70%削減は、年間約7兆円−9兆9千億円の追加費用で可能である。 これは想定される2050年のGDPの1%程度と見られる。
6. 需要側のエネルギー削減は、一部の部門でエネルギー需要増があるものの、
人口減や合理的なエネルギー利用によるエネルギー需要減、需要側でのエネルギー効率改善で可能となる。
7.各部門でのエネルギー需要量削減率(2000年比)は以下のように見積もられる。 幅は、想定した2050年社会のシナリオによる差である。
・産業部門:構造転換と省エネルギー技術導入などで30−40%
・運輸旅客部門:適切な国土利用、エネルギー効率、炭素強度改善などで80%
・運輸貨物部門:物流の高度管理、自動車エネルギー効率改善などで50%
・家庭部門:建て替えにあわせた高断熱住宅の普及と省エネ機器利用などで40−50%
・業務部門:高断熱住宅への作り替え・建て直しと省エネ機器導入などで40%
8. エネルギー供給側では、低炭素エネルギー源の適切な選択(炭素隔離貯留も一部考慮)と エネルギー効率の改善の組み合わせで、低炭素化が図られる。
[低炭素社会実現のために]
9. 必要とされるであろうエネルギーサービスを維持しつつ低炭素社会を実現するためには、
今後当然見込まれる産業構造転換や国土インフラ投資を早期から低炭素化の方向にむけて
整然と進めていかねばならない。その上に、省エネルギー・低炭素エネルギー技術開発と 投資、利用を加速する必要がある。政府が強いリーダーシップを持って、
早期の目標共有、社会・技術イノベーションに向けた総合施策の確立、 削減ポテンシャルを現実のものとするための強力な普及・促進策の実施、
長期計画にもとづく確実な政府投資の実施と民間投資の誘導を推進してゆくことが必要である。
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