S-6-3 アジア低炭素社会実現へ向けた中長期国際・国内制度設計オプションとその形成過程の研究
アジアにおいて低炭素社会を確立していくための中長期的国際・国内制度のあり方を提示し、 その実現のための具体的政策オプションを提案するため、政治学、国際関係学、行政学および分野横断型の政策研究手法により、 グローバルな制度及び政策、アジア域内の制度及び政策、資金にかかる制度及び政策、技術にかかる制度及び政策を検討する。
グローバルな制度設計、資金メカニズムに関する研究では、環境ガバナンスの行為(アジェンダ設定、国際交渉、技術移転、モニタリングなど)と それを充足する行為主体(政府、産業界、NGOなど)との相互関係を明らかにして中長期的アジアの環境ガバナンスの動態を検討して、 グローバルな国際制度設計におけるアジアの位置づけを明らかにする。 また、アジア域内で形成する気候変動レジーム実施に必要とされる資金メカニズムのあり方について検討する。
アジア域内での国際協力と国内制度のあり方に関する研究では、気候変動政策に関する主要な国際制度は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)と 京都議定書であるが、現在までに、アジア地域においては多様な国際制度が気候変動に関連する取り組みを実施していることから、 アジア地域において多様な国際制度が包括的な気候変動レジームを創設するための方策を、 「アジアバブル」の域内協力メカニズムのあり方を含めて検討する。本サブテーマはアジア諸国研究者との対話・協働を通じて実施することから、 アジア諸国研究者の能力構築も期待する成果の一つである。
低炭素社会実現への技術開発と技術移転の在り方に関する研究では、中長期的気候変動ガバナンスでは、 温室効果ガスの排出量が急増しつつある中国・インドといったアジアの発展途上国との協調体制が非常に重要な意味を持つことから、 鉄鋼・電力・セメントといったエネルギー集約産業を中心に日本・欧州・米国・韓国といった先進OECD諸国の産業界が 低炭素技術開発と技術移転において発展途上国の産業界と構築する国際協調メカニズムを検討する。
チームリーダー
蟹江 憲史 (かにえ のりちか) |
連絡先: 藤野 純一 Copylight(C) National Institute for Environmental Studies. All Right Reserved.