脱温暖化2050研究プロジェクト 温暖化セミナー
消費が創る低炭素社会・循環型社会
 
このセミナーは、脱温暖化2050プロジェクトの一環として企画・開催されました。
 
2008年4月9日(水)
午前の部 10:00~12:00 国立環境研究所 地球環境研究センター 交流会議室
午後の部 13:00~17:00 国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 3階会議室
 
 午前の部
 
  本セミナーの目的
  消費が創る低炭素社会
  (独)国立環境研究所 地球環境研究センター 主任研究員 藤野 純一
   
  G8ハイリゲンンダムサミットで提唱された「50 by 50」(2050年に世界の温室効果ガスは排出量を現状から50%削減する)を実現するには、 日本でも大幅な削減が求められる。政府は炭素税や排出量取引のルール作り、 カーボンラベリングなどに必要な情報の基準作り、産業はGHG排出とデカップリングしたサービスの創造、 雇用の確保、そして市民は低炭素社会・循環型社会に適う消費活動を行い、 政府や産業に関して適切にモノを言うことが求められる。 政府・産業・市民が一体となったTrustに基づく低炭素社会・循環型社会作りはできないか?
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  基調講演 1
  ユニー(株)の「小売業の地球温暖化防止への役割・・・お客様と一緒に進める環境保全活動」
  ユニー株式会社 環境社会貢献部 部長 百瀬 則子
   
  これからの低炭素社会を構築していくには、一般市民(生活者)の生活、特に消費生活を変えなくては実現できません。 一般市民(生活者)=消費者と捉えると、小売業が果たす役割は大きいと思います。 消費者が商品やサービスを購入したり、ライフスタイルを選択することにより、低炭素社会に近づく・・・ そんな役割を小売業は果たすべきだと考えています。
まず最初は、現在販売している商品やサービスの[環境に及ぼす影響]を消費者に情報提供し、 消費者にそれらにより「環境に配慮した選択」を実践してもらうことだと思います。 是非、研究者の皆様と協働で取組んでいきたいのです。研究者の作られたシナリオのアクターは、 消費者であることをお忘れなく!
  発表資料はこちら
ユニー環境レポート2007
http://www.uny.co.jp/corporate/torikumi/eco/management/report.html
ユニー㈱ 環境配慮に対する方向性の考え方 (2.38MB)
グループインタビューの分析  (4.91MB)
   
  話題提供
  消費活動に伴う間接資源消費・環境負荷の分析と応用
  (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター長 森口 祐一
   
  消費活動の背後にある間接的なエネルギー消費・CO2排出については、1970年代のエネルギー・アナリシスをはじめ、 多くの分析事例がある。こうした間接的な資源消費・環境負荷の数量化は、バーチャルウオーター、 エコロジカル・フットプリント、エコロジカル・リュックサックなどと概念的には共通しており、 カーボンフットプリントもその一つである。より包括的な分析であるライフサイクルアセスメント(LCA)や、 タイプ3のエコラベルなども含め、関連する調査研究とその応用について概観する。
   
  基調講演 2
  産業連関分析によるCO2排出原単位のカーボンラベルへの利用可能性
  (独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター 研究員 南斎 規介
   
  カーボンラベルの表記には,商品のカーボンフットプリントの計算をしなくてはならない。 商品の生産者ではなく,それを販売する小売店が自ら商品のカーボンフットプリントを計算するには,多大な労力を要する。 また,取り扱う商品の種類も数も多い。しかし,産業連関分析により得られるCO2排出原単位を利用することで, その労力を軽減できる可能性がある。CO2排出原単位の読み方やそれから得られる情報について紹介する。
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  午前の部 議論の内容メモ (28KB)
 
午後の部
 
  発表 1
  食品分野のLCA紹介(食品研究会)
  (独)産業技術総合研究所 安全科学研究部門 社会とLCA研究グループ 田原 聖隆
   
  日本LCA学会食品研究会にて、平成17~18年度にかけて実施された食品分野のLCA結果を紹介する。
食品研究会の目的は、食の原材料生産、調達から加工、消費に至る課題を摘出し、 解決のため取り組むべきテーマを整理することにある。具体的な調査手法と調査結果を見ながら、 カーボンラベリングへの活用可能性について、議論を深めていきたい。
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  発表 2
  カーボンラベルの規格化・ツールに関する動向の整理
  (独)産業技術総合研究所 安全科学研究部門 社会とLCA研究グループ 本下 晶晴
   
  近年の商品に対するカーボンラベリングの動きについて、国際的な状況と国内的な状況を概観する。
近年は、特にカーボンフットプリントの活用について、ISOやBSIなどにおける国際標準化の議論が進行しているが、 個別企業の取り組みに関しては、ヨーロッパが先行している感がある。 日本国内でも、政府や大手企業を中心にカーボンラベリングを活用したCO2排出削減の取り組みが検討されているが、 本格的な導入に向けては、今後より一層議論が必要かと思われる。
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  発表 3
  エコリーフ環境ラベルの概要
  (社)産業管理協会 タイプIII環境ラベルプログラム エコリーフ事業室 神崎 昌之
   
  エコリーフ環境ラベルは、資源採取から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルまでの、 製品の全ライフサイクルにわたるLCAに基づき、定量的な環境情報を開示する環境ラベルである。 このラベルは、商品の環境情報に関して多面的かつ信頼できるデータを消費者に提供することを主旨としているが、 情報量が大きいため、より簡易な情報開示方法の必要性についても議論されている。 国内市場でのエコリーフ登録状況や活用事例を見ながら、 今後のエコリーフ環境ラベルのあり方について議論を深めていきたい。
  発表資料はこちら → ppt資料 (1.21MB)
   
  午後の部 議論の内容メモ (17KB)
このセミナーに関するお問い合わせ先
  (独)国立環境研究所 
地球環境研究センター 温暖化対策評価研究室
主任研究員 藤野 純一

〒305-8506
茨城県つくば市小野川16-2
Tel&FAX:029-850-2504
e-mail:fuji@nies.go.jp
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