持続可能なアジア低炭素社会に向けた日本の役割
Japan's role for achieving sustainable low carbon societies in Asia

日 時 2011年11月22日(火)  10:00~17:00
会 場 (独)国際協力機構JICA研究所国際会議場
東京都新宿区市谷本村町10-5
主 催 (独)国立環境研究所 ・環境省 ・(独)国際協力機構
後 援 (独)科学技術振興機構

開催趣旨

化石燃料の燃焼や土地利用の変化等に伴い排出される二酸化炭素を中心に、メタン、亜酸化窒素、フロンなどの温室効果ガスにより引き起こされる地球温暖化問題に対してどのように世界全体で取り組んでいくべきか、世界レベルで議論が続けられている。京都議定書の遵守期限である2012年を目前にして、2030年や2050年さらには2100年のような長期を見据えながら、今何をすべきか具体的な行動を決めることが求められている。

G8やUNFCCC等の国際交渉の場で、温度の上昇を2度以下に抑えること、2050年までに温室効果ガス排出量を世界で半減することを共通の目標にする議論が進められている。2050年世界半減のためには、世界の人口の半分を抱え、経済成長著しいアジア地域が、先進国が歩んできたようなエネルギーの大量消費を前提とした開発ではなく、化石エネルギーへの依存度を抑え、省エネルギーや再生可能エネルギーを先進国に先駆けて導入していくようなリープフロッグ型の開発により温室効果ガスを出さない社会(低炭素社会)に移行することが重要である。

本シンポジウムでは、日本を含めたアジアが持続可能な低炭素社会へ到達する意義や アジア低炭素社会のビジョンとその実現のための方策を紹介し、研究から見えてきた持続可能なアジア低炭素社会の可能性を議論するものである。また、現在および将来の国際交渉スキームのあり方や低炭素社会研究の国際的なネットワークの構築を踏まえて、すでに動き出しているマレーシア・イスカンダール地域の低炭素社会実現への取り組み等も交え、アジア低炭素社会実現に向けて日本がどのような役割を演じることができるのかを考えていく。

また、パネルディスカッションでは、すでに中国やインドなどのアジア諸国が太陽光や低燃費自動車の開発など低炭素社会に向けたビジネスにシフトし始めていることを紹介しながら、日本こそが先頭を切って低炭素社会さらには持続可能社会に向けた技術開発、制度設計、社会システムデザインをしていくことの意義について、最新の研究成果を交えながら議論する。

プログラム

9:30-10:00 開場・受付
<午前の部>
10:00-10:05
開会挨拶
寺田達志環境省 地球環境審議官略歴
10:05-10:10
開会挨拶
原澤英夫(独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター長略歴
10:10-10:40
IPCC第5次評価報告書に向けた将来シナリオの検討:日本からの貢献とその意義
発表資料(899KB)
環境省 環境研究総合推進費 A-1103
「統合評価モデルを用いた世界の温暖化対策を考慮したわが国の温暖化政策の効果と影響」最新成果報告プロジェクト概要 (714KB)
藤森 真一郎 (独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター 特別研究員 略歴
10:40-12:00
アジア低炭素社会への道筋を考える:
アジア低炭素社会実現のビジョンと方策とは
環境省 環境研究総合推進費 戦略的研究プロジェクト S-6
「アジア低炭素社会に向けた中長期的政策オプションの立案・予測・評価手法の開発とその普及に関する総合的研究」 最新成果報告プロジェクト概要 (608KB)
参考資料:S-6前期研究成果リーフレット(2011年11月作成)
日本語版(3.3MB) / 英語版(3.1MB)
甲斐沼美紀子 プロジェクトリーダー
(独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター フェロー
発表資料(585KB) 略歴
林良嗣 名古屋大学 交通・都市国際研究センター長 教授 発表資料(1.26MB) 略歴
蟹江憲史 東京工業大学大学院社会理工学研究科 准教授 発表資料(684KB) 略歴
明日香壽川 (財)地球環境戦略研究機関 気候変動グループ ディレクター 発表資料(358KB) 略歴
榎原友樹 みずほ情報総研株式会社 チーフコンサルタント 発表資料(1.26MB) 略歴
【コメンテーター】
河合正弘 アジア開発銀行研究所 所長 略歴
李志東 長岡技術科学大学 教授 略歴
12:00-13:00 休憩
<午後の部>
13:00-13:05
開会挨拶
江島真也(独)国際協力機構 地球環境部部長略歴
13:05-13:10
開会挨拶
岡谷重雄(独)科学技術振興機構 参事役・地球規模課題国際協力室長略歴
13:10-14:00
低炭素社会に向けて動き出すアジア:
マレーシア・イスカンダル開発地域の取り組み
発表資料(3122KB)
国際協力機構/科学技術振興機構 地球規模課題対応国際科学技術協力 (SATREPS)
「アジア地域の低炭素社会シナリオの開発」最新成果報告プロジェクト概要 (623KB)
藤野純一 (独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター 主任研究員 略歴
14:00-15:00
低炭素社会実現に向けた実効性のある国際交渉スキームとは:
気候変動の国際枠組み交渉に対する主要国の動向分析より
環境省 環境研究総合推進費 E-0901
「気候変動の国際枠組み交渉に対する主要国の政策決定に関する研究」最新成果報告プロジェクト概要 (625KB)
亀山康子 (独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター 持続可能社会システム研究室長 発表資料(436KB) 略歴
田村堅太郎 (財)地球環境戦略研究機関 気候変動グループ
副ディレクター
発表資料(444KB) 略歴
久保田泉 (独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター
主任研究員
略歴
15:00-15:30
低炭素社会に向けた研究の促進に向けて:
低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)の取り組み
発表資料(1261KB)
LCS-RNet 「パリ年次会合」成果報告プロジェクト概要 (523KB)
参考資料:「パリ年次会合」成果報告書(日本語)
石川智子 (財)地球環境戦略研究機関 チーフセクレタリー 略歴
15:50-16:55 コーヒーブレイク
15:50-16:55
パネルディスカッション
「日本の役割はここにある -持続可能なアジア低炭素社会に向けてー」
【コーディネータ】
西岡秀三 (独)国立環境研究所 特別客員研究員
(財)地球環境戦略研究機構 研究顧問
略歴
【パネリスト】
井上孝太郎 (独)科学技術振興機構 上席フェロー 発表資料(247KB) 略歴
江島真也 (独)国際協力機構 地球環境部部長 発表資料(522KB) 略歴
西田裕子 東京都環境局 都市地球環境部 主任 発表資料(1.26MB) 略歴
15:50-16:55
閉会挨拶
笹野泰弘(独)国立環境研究所 地球環境研究センター長略歴

本シンポジウムでは、以下の研究プロジェクトの最新研究成果が発表された。

お問合せ

独立行政法人国立環境研究所  アジア低炭素社会シンポジウム事務局
TEL: 029-850-2422 / FAX: 029-850-2572
E-mail:lcs_project@nies.go.jp
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